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貪欲に生きる。
「ザ・ロード〜わたしの旅〜」という番組(NHK)が放送されていました。
その発端は、人それぞれに思いをこめた日本の旅を公募する「わたしの旅」という文化庁の企画があり、
全国から786のプランが寄せられた中から「100選」が選ばれ、その中で特別賞に選ばれた
埼玉県の県庁職員、渡辺恭伸さんが提案した「昭和モダン・外国人建築家の足跡を訪ねる旅」を
実際にアナウンサーの方と一緒にめぐる旅でした。
物心をついた頃から、渡辺篤史さんの建もの探訪を見ていた私にとっては、
心地よい住まいや、あたたかい人の気配が感じられウ建築物は、とても関心を誘うことなのですが、
今回、建物のことはともかく、この番組の中で話されていた渡辺さんの言葉が印象に残りました。
その言葉とは、「病気をして、何度か入院をくり返し、死というもの近くに感じる経験をして以来、
旅をはじめ、何事にも貪欲に向かうようになれたような気がします。」という感じのコメントでした。
この久しぶりに聞く「貪欲」という言葉に、ドキッ!としたのです。
これまで、本気という言葉は、自分でも何度か使ってきたのですが、
貪欲という言葉は、あまり使ったことも聞いたこともありませんでした。
とても気になるので調べてみると、もともと貪欲という言葉の意味は、
仏語の煩悩からきている言葉で、非常に欲が深いこと、もっと欲することなど
あまりいい意味で、使われてきた言葉でありませんでした。
しかし、渡辺さんの言葉から出てきた「貪欲」という意味には、むしろ清々しさというか
「今を生きていることを大切に考えている。」「この一時を大切にしたい。」という感覚が、
その隣に感じられていました。死を近くに体験された方の言葉というのは、やはり重みがあります。

これから私もこの「貪欲」という言葉をいい意味で意識しながら
行動していくことができればと思っています。
そこで、貪欲という言葉を使う時の自分なりの注意書きを、ここに残しておきたいと思います。
・まわりを丁重に思う気持ちや謙虚さが一体になって、ようやくバランスのとれたいい意味で
貪欲に物事に向かうことができるということです。
・まわりに威張る必要もない。自分に卑屈になる必要もない。
あるがままの自分を土台に、向かう目標を持ち、与えられた一日を貪欲に行動してみる。
そんな中から、現状を突破してきっかけがつかめるということです。
・貪欲とは、限りのある命を意識した時に生まれてくる向上心である。

私が、死に一番近い体験をしたのは、1995年1月17日に起きた阪神大震災でした。
今では、その感覚もだいぶ薄れているようですが、毎日、自分の限りある命を意識して行動していくことは、
命がどこまで続いているのか?誰も知らないために、なかなか難しいものですが、
この「貪欲」という言葉からは、「本気」という言葉よりも、限りのあるものから、出来るだけの可能性を
引き出してみようとする本人の思いが含まれているような気がしました。
最後に、オーストリアの心理学者ヴィクトール・フランクル(Viktor Frankl)の名言を
ご紹介します。
Live as if you were living a second time,
and as though you had acted wrongly the first time.
まるであなたは、今2度目の人生を歩んでいるかのように生きなさい。
それも、1度目の人生は、あまり上手く行動できなかったことを思い出しながらですよ。
後悔しないように生きる。=いい意味で貪欲に生きる。ということなのかもしれませんね。 |