「きょうのば」は、バンクーバー(カナダ)で、自己の成長・前向きな行動を支援する、ワークショップ(研修)の企画・運営を行っています。

・
自分らしい人生を、カタチにしていく力を身につける「きょうのば」
カナダのバンクーバーで学ぶ、気づく、考える。そして、じっくり「成長」していく。人生の変わり目、本番を迎えらているあなたの可能性を、全力で応援します。
・
・
・
きょうのばについて
2人の進行役
ワークショップ
参加者のご感想
連載・コラム
これまでの実績
メディア掲載
自分育成の情報
お問い合わせ
・
・
ホーム > 連載・コラム
・

・連載・コラム

溝口 寛のコラム
・
2008.3.25
・

悲と慈と知、三位一体のサポートで、力強く踏み出していくことができる。


  「人間の関係」という五木寛之の全編書き下ろしのエッセイ本に出会うことができました。
これまで75年の間に、3回ものうつ状態を経験されながら、ものを書いてこられた五木さんの言葉は、
しっとりとしていて、じっくり読書の時間を過ごすことができました。

その中でも、一番私の心に響いたのが、「慈悲」という言葉の五木さんなりの解釈でした。
「悲」とは、文字通り相手の悲しみを共感する気持ちで、思いやりとか相手の痛みに
寄り添い慰める。心を癒すという意味が含まれています。


「慈」とは、人に明るさや楽しさ、希望を与え、その時の人の気持ちを励ます心で
どちらかというと前向きな感覚、積極性を育てるような意味があるでしょうか?


 五木さんは、悲の愛を何も言わずに相手の痛みを感じようとする愛で、無言の愛。
慈の愛を、人々を立ち直らせ、勇気付け、元気づける愛。そして、高い所へ、
ともに歩いていこうとする呼びかけの愛と表現されていました。

line

 この文章を読んだ時に、ふと心に納得できたことがあります。
小さくふっきれるという感覚でしょうか?それは、日本でもだいぶ認知される
ようになってきたコーチングとカウンセリングの違いです。

このどちらも方向性としては、相談された方の元気をサポートし、
次の人生ステージに進んでいくまでの過程を、ある地点まで二人三脚のように、
あるいは、自転車の補助輪のように一緒に送っていくということになると思うのですが、
コーチングは、「慈」の側面を、カウンセリングは「悲」の側面を多く持っているということになりそうです。

 しかし実際、人が行動していく中では、慈のサポートばかりでは、
燃え尽き症候群(バーンアウト)のように、心がカラカラに乾いてしまったり、
悲のサポートばかりでは、リラックスできて元気を回復するまでは、行くのですが
目に見えるカタチで、前に進んで行っている感触を、なかなか本人がつかむことができず、
次のステップで、イライラしてしまうケースも予想されます。

 つまり、人をサポートするということは、慈と悲の両面のサポートが
行ったり来たりしながら、全体的に支えていくということになりそうです。
「癒し」と「攻め」のバランスのある支援と言ってもいいでしょうか。

さらに、新しく何かを始めようとすると、これまで知らなかったことを知っていく
「知」のサポートが必要になります。
このステップでは、すでに知って、知を活用している人から
教わったり、セミナーやワークショップに参加したり、自分から知ろうとして本やインターネットから、
必要と思われる情報を得て、その知識を、自分で使えるようになるところまで練習していく、
下積みの時間を費やしながら、じっくりと踏み出していくことができます。

line

 「人間の関係」の最終章で、五木さんは、人は、ひとりでは生きてはゆけない存在だ。
変わる時代に変わらないものは何か?それは、人間の関係である。というまとめで、
人間の関係が希薄になりつつある今の時代の流れには、脳細胞と脳細胞の間を
調整しているシナプスの働きのように、人間と人間の間をつなぐ「心のシナプス」
のようなものが必要ではないか?
と提案されています。

「心のシナプス」なんて、脳科学が発達してきた今風で、おもしろい造語ですね。

そして最後は、「人と人をつなぐ心のシナプスを探してみよう。」というところから
いきなりエピローグに移り、五木さんにとっての心のシナプスとは何なのか?
具体的に語られないままペンを置かれているのですが、今の私にとっての心のシナプスは、
人の心の痛みを、やっぱり痛いな〜と共に感じられる「悲」の心と、痛いながらも、前向きな人生を
お互いに励ましていける「慈」の心と、相手にとって有効だと思われる知識を共有していていこうとする
「知」の心かな〜と思うのでした。

だとすると、私の心のシナプスを働かせる場所や機会は、いったいどこにあるのだろう?
きょうのばのワークショップ(研修)やこのようなコラムが、そういうひとつの場所になるといいな〜と
願っています。


・ このページのトップへ・
・


Copyright 2007-2008 www.kyonoba.com All rights reserved.