「きょうのば」は、バンクーバー(カナダ)で、自己の成長・前向きな行動を支援する、ワークショップ(研修)の企画・運営を行っています。

・
自分らしい人生を、カタチにしていく力を身につける「きょうのば」
カナダのバンクーバーで学ぶ、気づく、考える。そして、じっくり「成長」していく。人生の変わり目、本番を迎えらているあなたの可能性を、全力で応援します。
・
・
・
きょうのばについて
2人の進行役
ワークショップ
参加者のご感想
連載・コラム
これまでの実績
メディア掲載
自分育成の情報
お問い合わせ
・
・
ホーム > 連載・コラム
・

・連載・コラム

溝口 寛のコラム
・
2008.3.28
・

幸せを感じる脳の神経細胞(ニューロン)を強化しよう。


 宿坊 ココロとカラダ満つる旅(NHK)という番組が好きで、再放送があるといつも楽しみに見ています。
清らかな水が流れるようなテーマ曲(村井秀正さん作曲)から始まるこの番組は、カナダで暮らしている
私にとっては、少しの間、映像と音で実家(京都)のことや、日本の魅力を再確認できるいい機会になっています。

その番組の中で、今回、お寺の住職さんから、もし「あなたは、今、幸せですか?」と質問されると、
あなたは、どうお答えになりますか?
という質問が、出演されていた原千晶さんへ投げかけられました。
30代前半で仕事のことや結婚のことなど、人生の壁を感じられていた原さんは、回答に迷いながらも、
「正直なところ、幸せだと思うところもあれば、そうじゃないと感じるところもあります。」
とコメントされました。正直なところ、私も同じような感覚をもっていました。

次に住職さんから「幸せは、私達のまわりそこらじゅうにいっぱい転がっているんですよ。
すべてのことが満たされて、幸せになるという思いよりは、今、ここに幸せがある。
この瞬間にある幸せを感じとれるような、心や考え方を養っていってください。」

というお話をいただきました。

 実は、個人的なことになりますが、今日小さい時に私をかわいがってくれた親戚の方が、
癌で亡くなられたという連絡を受けました。病院で大変そうにされていることは聞いていたのですが、
こうして、死というものを近くに感じる時、人の命の儚さと尊さについて、子どもの頃よりは、
敏感に感じるようになった私が、ここにいます。

line

 なので、今回は「幸せ」について、この番組を通して私なりに考えたことを言葉にしてみたいと思います。
まず「あなたは、今、幸せですか?」といきなり質問されると、幸せの定義がはっきりしていないだけに、
「今の私の人生は、満足できるものだろうか?」と、幸せ=満足感や充足感のことと考えてみたり、
「幸せですとはっきりと言えないことは、やっぱり後ろめたいことなのだろうか?」と妙な罪悪感を
抱いてみたり、頭の中でいろんな回路が働き、心がしっくりする答えを探し出そうとするのですが、
よっぽど聞かれた時点でうれしいことを感じていない限り、この質問に対する気持ちいい着地点は、
なかなか見つかりそうにありません。

では、「あなたは今、それなりに幸せですか?」と質問されると、「はい、それなりに幸せです。」と
素直に答えることができます。それなりという言葉が、あいまいで、あいまいのままの答えでも
OKかな〜と気にさせてくれるのでしょうか?

 次に質問を変えて、「あなたは、最近どんな時に幸せな気分を感じましたか?こんなことでも
いいのかな〜と思うささやかなことでもいいので具体的に教えてください。」
と聞かれると、
いかがでしょうか?

私の場合、朝、起きた時につくるコーヒーの香りを感じる時や、家の猫と一緒に遊んでいること。
久しぶりに知人からメールの便りをいただいたことや、恋愛コメディー映画を見て笑ったこと、
雨上がりに、綺麗な夕焼け空が見えたことなど、結構浮かんでくるものです。一個浮かぶと、
これも自分にとっては、幸せ気分かな?と気軽に答えを出しやすくなります。

もちろん、このような幸せな気分も、心が高揚したものから、ふと心が和らぐようなものまで
うれしく感じているの度合いもさまざまです。それにしても同じような幸せについての質問でも
質問の仕方に伴って、ずいぶん答えも変化してくるものですね。

line

 ここでいきなり話が飛ぶのですが、脳科学の研究が発達してきた最近では、ヒトの幸せを感じる
感覚を科学的に解明してみようとする試みが、世界で行われています。

脳には、神経細胞(ニューロン)という部分が、活発に働いていて情報の伝達や処理が
ものすごい速度で行われ、そこで感情に影響してくる脳内物質が分泌されています。
ヒトが意識、思考、行動したことが信号に換えられ、脳の神経細胞を一気に駆けめぐり、感情にかかわる
脳内物質を出しながら、その信号の通った回路が、強化される仕組みになっています。

 ところで、この神経細胞は、高齢になってからでも、以前から考えられていた以上に
変化、再生、再結成されるということで、脳の可塑性(Brain Plasticity)とよばれる脳の性質も
現在、脳に障害を持たれた方の治療教育の現場で注目されています。

 また、おもしろいことに、このニューロンには、ポジティブ系の信号が駆けめぐる神経回路と
ネガティブ系の神経回路に分かれているということで、幸せな気分を感じている時は、
ポジティブ系の回路のつながりが強化され、憂鬱な気分を感じている時は、
ネガティブ系の回路のつながりだけが、強化される仕組みになっています。

昔から良く言われている「気にすれば、気にするほど、気になってくる。」というのは、
どうやら、この科学的な脳の神経細胞の仕組みのことを言っているのかもしれませんね。

line

 そのため、この仕組みを利用して、意識的に脳のポジティブ系の回路のつながりを
強化することができれば、脳科学的に人の幸せ感を高めていくことも可能である
と言えそうです。

自分ひとりでできるトレーニングとして簡単なのは、上の質問のように、毎日、幸せな気分を感じたことや
感謝の気持ち、ちょっとした達成感などを意識的に書き出してみることがいいですね。

1日1個の幸せな気分でも、小さな成功でもノートに書いていくと、1年で365個の幸せな気分や
小さな成功を積み重ねていけるわけで、いいことをほったらかしにして、嫌な気分になることを
くり返し考えているよりは、ポジティブな脳の回路は、ずいぶん強化されるのではないでしょうか?

 そして1年後に、「あなたは、今、幸せですか?」と誰かからふいに尋ねられた時に、
机の上からおもむろにノートを取り出して、「幸せですか?いや〜ささやかなものから、
時々興奮するものまで、結構転がっているものですね〜」
なんて
ニコニコと笑いながら、答えられると素敵かな?と思っています。

もちろん、言うまでもなく、良好な職場の人間関係、友達関係や夫婦関係など、
前回の心のシナプスのように、人と人の心がつながっていることや、具体的な人生のビジョンや目標、
人生の生きる目的があること。それから、それに向けて小さな行動を積み重ねていけていることなども
幸せな気分を感じる回路の強化につながるということです。今感じているこの感情も、
ちょっとした日々の練習と行動によって、少しずつ底上げされていきます。

「幸せになる。」という、どこかの一点を先を見つめ、そこに到着するまで幸せはおあずけでというよりは、
一個でも多く「幸せな気分を感じていく時間、気づいていく時間」をこれから増やしていけるといいですね。

line

最後に、アメリカの心理学者(Wayne Dyer)の幸せについての名言です。

There is no way to happiness.
Happiness is the way.


幸せにつながる一本の道というものは、残念ながら用意されていません。
あなたの幸せは、今、この瞬間、あなたが感じることのできる幸せな気分を
感じながら、人生を進めていくことによってつくられていくものなのです。

「今日、あなたの心が感じたささやかな喜びや幸せ、感謝の気持ちは、どんなことですか?
気づいたことを、ノートに書いてみてください。」

●参考リンク
情動の科学的解明と教育等への応用に関する検討会
「脳科学と教育」の研究の現状と今後の展望(文部科学省)
感情を引き起こす「脳内物質」とは?
The science of happiness(BBC NEWS)


・ このページのトップへ・
・


Copyright 2007-2008 www.kyonoba.com All rights reserved.