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逆境を克服するためのヒント 桑田真澄〜エリザベス・キューブラー ロス博士「喪失の五段階説」
23年間野球を続けてきた桑田真澄選手が、2008年3月GM(ゼネラルマネージャー)から
突然の戦力外通告を言い渡され、40歳の誕生日(4月1日)を前に、現役の引退を決めたことが
ニュースから聞こえてきました。高校時代、甲子園での活躍を、リアルタイムで見てきた世代だけに、
野球選手にとっても、人生にとっても大きな決断である引退宣言に「どうしたのだろう?」と
ちょっとした戸惑いを感じました。
しかし、桑田選手のブログに書かれた心境「無常観」を拝見し、なるほどな〜と涙であふれました。
お時間がありましたら、是非ご覧ください。
それにしても、これまでいろいろなことがありました。ドラフトのこと、借金のこと、ケガのこと
巨人軍での引退までのこと、そして38歳から目指したメジャー挑戦のことなど、輝かしい成績とともに、
存在する試練や逆境の中で、闘志を燃やし、最後まで投げ続けた投手のひとりですね。
そのことを一番知っている本人が、ブログの中で「もう〜燃え尽きました。」と普通に言えてしまうところに、
本当に大好きな野球に誇りを持ち、野球をやり尽くして、現役選手としては完全燃焼したんだな〜という感覚が
読み手の方に、すんなりと伝わってきました。

この後、別のインタビューやドキュメント番組を見ていたのですが、想像以上のものすごい試練や逆境の中を
実際にそれも何度も耐えながら、乗り越えながら、ここまでの人生を送られている人だけに、その経験から
生みだされるコメントの数々にハッ!とする瞬間の連続でした。
・目標に対しての考え方
いろんな目標を立ててやってくる中で、目標にクリアしたから偉いわけでもないし、
クリアできなかったからダメでもないんですよ。自分の目標をつくって努力することが
僕は、好きだったわけで、もちろんクリアできなかったことも、いくつかありますけど
じゃダメかと言うと、全然そんなことないと思いますよ。完璧な人間など誰ひとり
いないわけですからね、ただ目標に向かって自分の心が納得するまで、努力する
挑戦するということが、大切なことだと思うのです。
・1995年、右ひじじん帯断裂のケガの経験から生まれた言葉
あの右ひじ手術で、残りの野球人生がだいぶ変わりました。野球選手としては
厳しい状況になりましたけど、人間的には、あの手術でずいぶん鍛えられたんですよね。
・アメリカで突然の早朝練習を告げられた時のコメント
いろんなことを経験するんですよ〜
したこと無いことをトライしてみるんですよ〜
それで、ようやく良いか悪いか自分で分かるじゃない。
・2007年、夢のメジャーにあと一歩、日本から家族が応援する前で、
右足首じん帯断裂のケガをした時のインタビュー
野球も人生も一緒です。本当に何が起こるか分からないですよ。
だから、この経験をまたプラスに変えていかないといけないと思うし、
プラスに変えていく事が、大切なことだと思うんですよ。
・2人の息子さんにいつも言われている言葉
自分の人生だから、自分のペースで自分らしく、結果とか数字ということでなくて
まずは、努力することが大切なんだよ。
・試練や逆境から生まれてきた考え方
生きていると大変なことが結構あるんですよ、その中でいいことが
起こったらラッキーに思うぐらいで、ちょうどいいんじゃないですか?
僕にとって生きる目的は、自分を磨くことだと思う。だから試練や困難は、
僕に与えられた砥石(といし)みたいなものですよ。
困難なことをたくさん経験され、その痛みを誰のせいにするわけでもなく、
自分で味わい、そこから何かを学びとろうとし、乗り越えてこられた
桑田投手の言葉には、優しさと前向きな姿勢が充満していました。

このようなコメントを聞きながら、感じたことは、試練や逆境が訪れた時に
どのように自分でその状況を解釈していけるか?プラス受信していく心構えが用意されているか?
そして自分から冷静に対応していこうと考えられるか?「逆境を楽しむ心の余裕」なんて言うと
カッコ良すぎますが、困難なことが来た時に、「キター!また来た逆境が〜」と
自分でつぶやけるぐらいの気持ちの回路ができていると、痛みを味わいながらも、
最終的に困難なことや逆境に向かっていく気持ちが、もう少し持ちやすくなって、
その分、自分のパフォーマンスが上がるのかな〜と感じました。
桑田真澄さんへ、あなたは野球を通して、見ず知らずの私達にまで、試練や逆境を乗りこえていくことの
素晴らしさを、私達に教えてくれました。これはものすごいことだと思います。それは私にとっても、
前進していこうという勇気になっていますし、私自身もそういう存在でありたいな〜と思う気持ちに灯がともりました。
今は、本当にお疲れ様でした。

最後に、この試練や逆境の状況に入った時の参考として、誰もが必ず迎える人生最大の逆境、
死に近づいた時に、人間がどんな風な思考パターンをたどるのか?スイス生まれの精神科医、
エリザベス・キューブラー・ロス博士が、死に直面する多くの人からの話を聞き、まとめられた
「喪失の五段階説」をご紹介します。
彼女もまた脳卒中(逆境)にみまわれ、半身不随の体となり何度も死を覚悟しながらも、
まだ自分にはこの世にいるための理由(=人生で学ぶこと)があると自覚した人でした。
エリザベス・キューブラー・ロス博士「喪失の五段階説」
1. 起きた問題を受け入れることができない状態(否認)
2. なぜ自分がそんな目にあったのか?という怒りを周りに向ける状態(怒り)
3. 何とかその場で手っ取り早く解決する方法はないか?と試みる状態(取引)
4. 簡単には解決できないと落ちこみ、何もできなくなってしまう状態(抑鬱)
5. 小手先では解決できないと悟り、真剣に何ができるかを考える状態(受容)
もう少し簡単にすると、こんな感じでしょうか?
・ どうしてこうなってしまったんだろう。こんなことになるなんて信じられない。(否認)
・ 問題が起きたのは自分のせいではない。あのせいでこうなっているのではないか?(怒り)
・ とりあえず、今はこのくらいのことでもしておけば、何とか上手く乗り越えられるだろうか?(取引)
・ もうだめだ。何をやっても上手くいかない。何をやっていいのかもわからない。(抑鬱)
・ ここまできたら、このまま居ても何も解決はしていかない。まずは今日、自分のできることから考えよう。(受容)
人生の壁、逆境の状態の中から一歩を踏み出していこうとする時、その本人の気持ちが
受容の段階につながって、ようやく自分から何かをしていこうという気になるのでしょうね。
私も落ち込んだ時、似たような思考のパターンをたどったような気がします。
桑田投手の場合は、何か困難なことが起きてから、受容の段階までにつながるのが、早いのでしょう。
●参考リンク
プロフェッショナルの逆服克服法(NHK)
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